第1回音楽本大賞に入賞! 朝日新聞、日経新聞ほか、紹介続々!
「倒錯と迷宮からなる「驚異博物館(ヴンダーカンマー)」の根底に、過去と現在とを問わず流れる――あたかも一匹の大蛇のような――「奇想の精神史」を、著者は浮かび上がらそうとしている。」
椹木野衣さん(美術評論家・多摩美術大学教授) 朝日新聞・書評欄
「一種、暗号とさえいえる彼らの表現テクストを解読し、その凄さをわかってもらいたい、という著者の情熱が本書に溢れている。……知的かつ感性豊かな本である。」
ウェルズ恵子さん(立命館大学教授) 日経新聞・書評欄
「アフリカを追放された黒人が〈マニエリスム〉という方法を用いて自らのアイデンティティを再構成する、という独創的な見取図のもと、黒人霊歌、ブルース、ジャズからヒップホップまでを論じる。」
中条省平さん(フランス文学者・学習院大学教授) 『フリースタイル』55号
「黒人の知性に博覧強記と魄乱狂気?の紙一重で迫る本書では、人間がマニエリスム的遊戯によってイマジネーションの彼方へ跳躍可能であることが明示される。これぞ芸術の営み。」
渡邊未帆さん(大阪音楽大学准教授) 第1回音楽本大賞・選評
「静かなやり方で」、新しい歴史を紡ごう
奴隷制時代から南北戦争、公民権運動をへて真の解放をめざす現代まで。アメリカ黒人の歴史とは、壮絶な差別との闘いであり、その反骨の精神はとりわけ音楽の形で表現されてきた。しかし黒人音楽といえば、そのリズムやグルーヴが注目された反面、忘れ去られたのは知性・暗号・超絶技巧という真髄である。今こそ「静かなやり方で」(M・デイヴィス)、新しい歴史を紡ごう。本書は黒人霊歌からブルース、ジャズ、ファンク、ホラーコア、ヒップホップまで、黒人音楽の精神史をひもとき、驚異と奇想の世界へと読者をいざなう。古今東西の文献を博捜した筆者がおくる、新たな黒人音楽史。